基本方針
エンガアートは、「楽しい」ことをする場所です!
ということは、つまり単に遊ぶだけの場所…、と言ってしまえれば話はカンタンですが、「楽しい」ということの内実って、なかなか複雑なものです。
「楽しい」ことといってもいろいろあります。
絵を描くのが楽しい、工作が楽しい、勉強が楽しい、ゲームが楽しい、仕事が楽しい、人生が楽しい…。
勉強が嫌いな子は多いと思いますが、勉強が楽しいという子も案外多いものです。絵を描くのが好き!という子と同じくらい、絵を描くのが苦手という子もたくさんいます。子供はみんなゲームが大好きですが、ゲームの何が面白いんだかさっぱりわからないというお母さんも多いでしょう。同じ職場で同じ仕事をしているのに、ある人は仕事が楽しい、ある人は仕事がつまらない…。
なぜこのような差が生まれるのでしょうか。
これは、たんに人それぞれというだけではありません。エンガアートでは「楽しむ」というのもひとつの技術であると考えています。何かに興味を持つ能力、経験や知識、モチベーション、感情表現、コミュニケーション、決断力、体力、などなど、これらが一体となって「楽しい」は生まれます。
「楽しい」を生みだす技術を身につけることは重要なはずです。当たり前ですが、楽しくなければ、つまらないということですから。
子供には勉強なんかよりこっちが先、と言いたいところですが、実際には、学問、教養というものは「楽しい」を生みだす技術をとても力強くパワーアップしてくれるものなので、やっぱり両方必要です。
そして、「楽しい」を生みだす技術をもっともっと伸ばしてくれるのが、目を使い、手を使い、考え、工夫し、五感と想像力をフルに働かせ、熱中して何かを作るという体験です。「楽しい」を生みだすということは、たんに「なんでも楽しいと思い込む」こととは違います。実際に素材に触れ、形にしていくことが大切なのです。エンガアートでは、ただこちらが「楽しさ」を提供するのではなく、最終的には子供たち自身で「楽しい!」を作り出すということが大切だと考えています。子供たちは作品づくりや素材を使った遊びを通して、さまざまなことを学び経験します。「自分の頭で考えること」「知識や技術の必要性」「自由であること」「調和的であること」…、どれも、充実した楽しい人生を作り出すのにとても大事なものではないでしょうか。
エンガアートのカリキュラムは「自由な自己表現」をただ安易に称揚したり、反対に、硬直した技術の詰め込みだけに居直るということはありません。それでは、教わる方はすぐにつまらなくなってしまいますよね。わたしたちが教室で行うのは、作品作りのプロセスにていねいに寄り添いながら、子供たちの細やかな思考や感覚の動きを見出し、的確なアドバイスをすることです。それは、長い時間をかけてひとりひとりの子供と向き合うことによってしか、できないことなのです。
残念ながら、現在の学習指導要領では、図工の授業時間数はかなり少なくなっています。「表現する」「創造する」という点では、いまは子供たちにとって受難の時代なのかもしれません。子供にとってのアートの必要性を理解しているお母さん方の中には、休みの日に子供と美術館に行ったり、ワークショップに参加したり、絵画教室に通わせたりと、いろいろな方法で子供が創造性を発揮するチャンスを与えてあげている方も多いと思います。その選択肢の中に、ぜひぜひ「エンガアート」も加えてみてください。